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若者事情(静臨)

高校時代
「ごっこ遊び」の続き

いざやくん売春




「あれ、お仕舞い?」

上半身だけ生身を晒した臨也を抱き抱える腕を緩めたら、奴は拍子抜けしたような声で問い掛けてきた。我に返った俺は、情けないことに自分で剥き出しにしてやったはずの臨也の白い肌を直視できなくて、聞こえないふりを決め込みながら顔を真横に背けてしまう。

「別にいーよ?俺は。最後まで付き合ってもさぁ」

事もなげに、気怠く言ってのける声は、いよいよ本物のフーゾク嬢のようだ。見たことなんかねえけど。

「…ていうか、一回シズちゃんとそーいうことしたら、なんか気が楽になりそうだし」

決して口に出せないようなことをぼんやり考えていた俺の頭に妙な含みのある台詞が届いて、思わず隣の臨也に向き直った。

「は」
「ほら、シズちゃんなんかにまで抱かれたりしたらさ、俺もう誰が何が相手でも悔しいも恥ずかしいも無くなっちゃうと思わない?」

なんて、けらけら笑う姿に無性に腹が立つ。こいつ、人の気も知らねえで。

「…そんなにお望みなら本気でぐっちゃぐちゃにしてやろーか」
「ほんとに?エロい意味で?」
「勿論ヒトのカタチをしてないくらいぐっちゃぐちゃにしてやるよの意味で」
「怖っ」

また笑う。そりゃあシズちゃんには俺を殺すより抱くほうの度胸のが足りないよね、だなんて。
放っとけ。



夜になったら人に会いに出るけどそれでもいいんなら、と言った臨也の部屋に上がり込むなり肩を掴んで押し倒して上着のボタンを乱暴に外して赤いTシャツを捲ったら俺が自分でする前にあいつの細い指がぎこちなく俺の白いシャツのボタンを外したところまでは良かったが、これからどうすりゃいいんだっけ、なんて今更思ったりして、とりあえず背中に腕を回して柄にもなく優しく撫でたり触れたりして。それが俺の身体にも同じように返ってきて。ひたすらひたすら互いに野郎の裸の上半身に指を這わせ合って。
結局それ以上のこともなく、部屋いっぱいに差してた夕日が陰ってきたのを合図に、俺は呆気なく理性を取り戻して。

時間、と、ぶっきらぼうに呟くと、臨也は笑いながらわざとらしい溜息をひとつ吐いて、据え膳食わぬはなんとやら なんて言いながら再び衣服を身に着けはじめた。今度は学生服じゃなくて、綺麗な首筋や鎖骨が覗く薄っぺらいシャツ。

「鍵、ちゃんと掛けて帰ってね」

薄ら笑いを浮かべて出て行く背中を見送って、ふたたび本物の商売女を相手にしてるような気分を味わった。じゃあ俺はヒモかなんかだってのか。あいつの。そんなん願い下げ。

殺風景な部屋の中で最初に目についたのは、テーブルの上にある無愛想な銀色の灰皿だった。中にはまだ形を保った吸い殻。
相手方が来ることもあんのか、とは聞かなかった。
聞いても意味はないと思った。場所は関係ない。あいつの「仕事」にも、俺のモヤモヤした気分にも。


あいつに止めなよ、と言われてから吸ってなかった煙草に久しぶりに火を点けて、少しだけ煙を飲み込んでから灰皿に押しつける。
また真似事だ、何から何まで。


脱ぎっぱなしだったシャツを羽織って、俺は少しだけ家主の居ない部屋でぼうっとした。
なんでか知らねぇが泣きそうになった。
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Author:仲原
そこそこ元気なふじょしです
成人済み。女子と名乗ってよいものか。

移り気ですが、どこにいっても目つきの悪い子がうめえ。

 

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