2018-07

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静臨

同棲ネタ
誰だお前ら!

背後の大きな窓から、段々街が忙しなくなっていくのをぼんやり感じ取って、時計に目を遣る。

「シズちゃん」

「ん」

「時間。いいの」

「んー…」

「チンピラ紛いの仕事って言ったって、少しはお金入れてくんなきゃ困るよこの甲斐性なし」

死ね死ね殺すの不毛な関係がうっかり生んでしまったこの状況。
開き直ったとでも言うようにお互い甘えて甘やかしての光景を、俺らを知る人々が見たら目を点にするに違いない。


「今日は早く帰る」

「へ?なんで」

「さっさとぶっ飛ばしてさっさと金払わせるからに決まってんだろ」

「無茶苦茶」

「るせぇ…まぁ、だからそんな顔すんな」

「?どんな」

「手前、変なところで抜けてやがんな…」

「え、行くの?朝飯は」

「んな時間ねーだろ」

「だから早く支度しろって」

「誰の所為だと思ってやがる…」


シズちゃんはいつも出掛けに俺の髪をぐしゃぐしゃに撫でていく。


「いってらっしゃーい」

一気にしんとした玄関に響いたのは我ながら腑抜けた甘ったるい声である。
自慢の注意力や抜かりなさが薄れたのは確実にシズちゃんが家に来た所為だ。
仕事柄、いつか支障が生まれるかもしれない、その時はあの男を散々詰ってやらないと。


「…ひどい顔ね」

いつもと同じように、シズちゃんと入れ違いでやってきた波江が言った。

「波江さんまで…なんなんだよ」

「気持ち悪いから言いたかないけど、飼い主が家を空けがちで拗ねてる犬猫ってところね」

まぁあなたはどう考えても犬じゃないから猫かしらってああ気持ち悪い私ったら、とか仏頂面でブツブツ呟いてる波江の声を聞きながら、そういえばあの男は小さい生き物が好きだったかもしれないなんて思う。
俺は連中と違ってあの馬鹿力で抱かれたって潰れない。
いつか見た彼の寂しそうな表情を思い出して、勝手に優越感に浸った。

「今度はいきなりニヤニヤし始めて…ほんと気持ち悪いわ貴方」



「ほんとに早かったね…」
「おう」

帰るなり、また俺の頭を撫でたシズちゃんにここぞとばかりに飛び付いてやると、ゆるゆる躊躇いがちに腕が回される。
俺がそうそう簡単に壊れたりしないことを誰よりも思い知っているのはその腕だろうに、この数日の堕落で忘れてしまったとでも言うのだろうか。

「ヘタレめ」

「あ?なんつった臨也」

「にゃー」
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Author:仲原
そこそこ元気なふじょしです
成人済み。女子と名乗ってよいものか。

移り気ですが、どこにいっても目つきの悪い子がうめえ。

 

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